Twitterでも見やすいようにと少し工夫をしてみたりしましたが、エクセルベースで作成しスクロールなしで視認でき、17銘柄かつ役立つ情報を網羅するとなると、このサイズが限界かなとも思います。ただ、スマホで表示された時に画像をクリックしなくても確認できる状態にはないため、もう少し項目を絞り情報量を厳選するなど、さらなる工夫はできないか考えています。
内容的にはさほどの変更はありませんが、JTの優待が22年までと表記したのと、ブリヂストンを世界一から世界首位級へ変更しています。純利益ではブリヂストンが圧倒してるものの、最新のシェアではミシュランにわずかに及ばず、シェアベースで2位となったため首位級という表記にしました。
過去5年間をベースにしたPER・PBRレンジでは業績が回復しつつも株価が低迷しているJTがレンジを切り下げています。つまり割安になった時期があったことを意味します。総合商社は株価上昇でレンジを切り上げています。また、少し前に株価が上昇したNTT、KDDIはレンジを切り上げ、ここのところ株価上昇の著しい東京海上はPBRレンジの上限が拡大しています。このあたりを拙著で掲載したデータと見比べながら変遷を確認していくことで、銘柄に対しての理解も深まりますし、投資技術の向上にも寄与してくれます。情報とは最新のものが最も価値があるというわけではなく、過去と比較することで、付加価値が生まれます。
将来の見通しに対して明るい人が増えると人気がでて株価が上昇し、PERやPBRも上昇します。最近の総合商社や通信がこの傾向にあります。逆に、将来の見通しに対して暗い人が増えると人気がなくなり株価も下落して、PERやPBRは下がります。最近までのJTがこの傾向にあります。
株価が上昇して人気があり、PERが高くなっている時に買うのは安心感があるかもしれません。多くの人が買っているため株価が上昇しており、人間というものはまわりと同じことをしていれば妙な安心感が芽生えてくるためです。しかし、投資家としては、人気がない時に安く買わなくてはリターンが小さくなることを知っておく知っておく必要があります。シーゲル博士は『株式投資の未来』で次のように記載しています。
株式の長期的なリターンは増益率そのものではなく、実際の増益率と投資家の期待との格差で決まる。
つまりは、人気のない(PERの低い)銘柄を選択肢して、人気のない(PERの高い)銘柄には手を出さないことが、長期的なリターンにつながるという主張です。投資判断の際には、株価が上昇しすぎていないかに気を配りながら検討していく必要があると考えます。
以下、雑感
〇 NYダウとナスダックの下落と日経平均先物について
FRBのパウエル議長がインフレ抑制のために利上げ継続を表明したことで、NYダウが1008ドル(-3.03%)、ナスダックが497ポイント(-3.9%)の下落となりました。その影響を受けてか、日経平均先物も500円強の下落となっています。
日経平均株価は直近安値を付けたのが、6月20日でその時の株価は25,520円、現在の株価は28,641円と2カ月で3,000円強も上昇していました。急ピッチで上昇してきており、現在の株価ではバリュエーション的に買える銘柄が少なくなってきているというのは肌感覚としてありました。日経平均株価の先物は下がっていますが、わずか2カ月前の株価と比較すれば、まだまだ高い水準にあります。もちろん、中間決算での業績上方修正ラッシュを織り込んでいるとは思いますが、現時点での指標からは少し高いなと感じている銘柄も少なくありません。
今後、中間決算が発表されて、現在の株価でも投資指標的に適正あるいは割安と判断ができるまでは、株価が下げても驚きませんし、大きく下げるようであれば買い増しのチャンスかなとも考えます。個々の銘柄によって判断は分かれるところですが、相場全体としてみれば、短期的には警戒、中間決算が想定通りに好決算連発であれば現在の株価水準でも問題なし、長期的には何ら問題なし、という感覚をもっています。
〇 投資家として考える行動について
いつの時代でも、そしてどんな相場でも、投資家が真っ先に考えなくてはいけないことがあります。それは「相場で生き残ること」です。株式の長期的なリターンは歴史が証明していますし議論の余地はありません。ただし、相場というものは上がったり下がったりしながら長期的には株式というアセットクラスの期待リターンである6~7%程度へ収束していきます。短期的にはリーマンショックのように短期的に60%もの下落に直面することを余儀なくされるケースも起こり得ます。
そのような暴落相場を乗り越えて、株式投資を続けていくことで期待リターン享受し資産形成を進めることができるのです。株価上昇局面では特に不安になることもなく、投資を続けていくことができます。下落局面では投資を続けていくことへの不安と実際に損失が拡大していくのを目の当たりにするため、精神的な負荷は想像以上となります。投資を続けていくのがベストとは言いますが、実際に行動するのは想像している以上に難しいということは知っておく必要があるでしょう。
その上で、下落相場でもこれまで通りの投資を続けることが大切であると、あらためて伝えておきたいと思います。株は安く買うことで将来のリターンが大きくなります。つまり、下落局面でこれまで通りの投資を続けることは、株を安く買い将来の期待リターンを拡大させることと同義なのです。
〇 拙著について
拙著では、高配当投資と銘打っていますが、その内容は、投資初心者がどのようにすれば株式市場から退場させられずに、株式投資を続けていくことができるかという点にフォーカスされています。そのために具体的に何をすればいいのかも執筆しています。再現性も高い、というよりは具体的に手順が書いてあるので、だれにでも真似できます。
拙著については多くの読者からご感想をいただいておりますが、先日「今年3月の株価下落局面では何度も読み返して株式投資をやめずに続けることができた」という嬉しい感想をいただきました。2月2日に拙著を発売して、3月に日経平均が25,000円を割るという下落局面を迎えた時には、下落前に発売できて間に合ったという想いがありましたが、実際に投資初心者の心の支えとなったというご感想は有り難く、また大変嬉しく思います。
今後どのような相場となるかは誰にも分かりません。場合によっては暴落するという展開もあるかもしれません。しかし、拙著がその真価を発揮するのは暴落時にあります。読者の皆さんは既に暴落はチャンスであることを知っています。何ら恐れることなく粛々と投資を続けていけば事足りるでしょう。
幸いにも読者のご支持を得ることができ、拙著は6刷、4万部突破となりました。これだけ多くの方にお読みいただくことができ、次の暴落時には退場させられる個人投資家は確実に減る、そう確信します。
小生の投資手法や考え方を多くの方に知っていただくことができたのは、ひとえにフォロワーの皆さんのおかげです。あらためて感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。
ブログで記載しきれないこともつぶやいていますので、興味のある方はフォローいただければ幸いです。
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